2020年3月29日日曜日

2020年3月29日【海上保安庁による救助事案について】気を付けて!うっかりミスでカヤック流失。。。

荒天に見舞われたこの週末はのんびりと過ごしたサニーコーストカヤックスですが(泣笑)、実は先週21日(土)に五ヶ所湾において海上保安庁が出動してカヤック愛好家の方を救助するという事案が発生しました。
海上保安庁から発表された広報と、サニー本橋が実際に見聞きした情報を皆さんと共有したいと思います。

※写真はイメージです

まずは海上保安庁発表の広報を元にこの事案の概要を紹介します。

【概要】
通報日時:3月21日(土)06時25分
通報者:男性(年齢非公開)、カヤックは全長3mほどの黄色いシーカヤック
通報内容:前日から五ヶ所湾内にある島にて一人キャンプをしていたところ、今朝になってカヤックが流失していたため救助要請をした。
結果:海上保安庁の救助ボートで救助。怪我なし。(救助時間は未公開)

<※上記は海上保安庁鳥羽海上保安部より新聞各社へ広報された内容を要約しました>

※写真はイメージです

続いてサニー本橋が見聞きしたことと、それから推察したことをまとめました。

【本橋追記】
3月21日(土)10時過ぎから11時頃まで、海保のヘリが五ヶ所浦~飯満の海域の低空を旋回。10時半頃からは御所島付近でホバリングしていた。その後、11時前に飛び去った。
後日、知り合いの漁師からその日に五ヶ所浦港へ曳航されていくカヤックを見たと聞いた(ただし見た時間は定かではない)。
【本橋推察】
おそらく流失カヤックの回収と思われる。


その日(21日)の天気図と潮汐も参照ください。

【気象庁発表 21日15時の天気図】


【潮汐 場所:尾鷲】
20日(金)
<長潮>
満潮 14:20(135cm)
干潮 21:19(28cm)

21日(土)
<若潮>
満潮 04:29(161cm)
干潮 10:15(91cm)


以上が今回の救助事案の概要となります。
救助された方には申し訳ないのですが、・・・うっかりミスで大変な目に遭い、海上保安庁の手を煩わせてしまった、ということですね。

この事案からカヤックでのキャンプツーリングのリスクについて考えてみましょう。

※写真はイメージです

まず、カヤックで漕ぎ出し、辿り着いた浜辺でキャンプをするのはとてつもなく至福な時間であり、カヤックを趣味とするのであればぜひ一度(といわず年に一回以上)はやって欲しいことの一つです。
今回のような事案を完全に発生させないようにするのであれば「カヤックキャンプを禁止」すれば済みますが、そんな味も素っ気もない乱暴な解決策は全カヤッカーを代弁してサニー本橋が断固反対します。笑

寝ている間にカヤックが流失してしまうのを防ぐためには「潮間帯」を知り、「満潮線」よりも高い位置にカヤックを運び上げ、できるだけロープなどで固定することです。


上の写真はキャンプ地に到着後すぐの様子。
カヤックを置いたところに流木があり、それが浜の奥のほうへと線状に続いているのが分かるでしょうか?

これが「満潮線」です。
「満潮線」は潮が満ちた時の波打ち際のこと。そのラインはこのように流木などの漂着物で見分けることができます。


カヤックを「満潮線」よりも上に運び上げ、さらにロープでカヤック同士を連結し縛った図、です。

キャンプツーリングでは荷物が多いため、カヤックを運ぶのがとてもおっくうになります。
特にソロキャンプであればその面倒臭さはなおさらで、上陸してからあらためてカヤックを運び上げたりするのはもうホントしたくないんですよねえ。笑


それでも「流失」を防ぐためには「満潮線」よりも高い場所まで運び上げなければなりません。

上の写真のように荷物を出してしまえばカヤックは軽くなるので運びやすくなります。
また、「ロープ」で縛るのも風が強い時には必須となるでしょう。ソロキャンプの場合は立木などに結び付けると効果的です。

たったこれだけのことで「流失」はかなりの確率で防ぐことができるはずです。


続いて、その他のキャンプツーリングで想定されるリスクについて考えてみましょう。

一番のリスクは日帰りツーリングよりも「長い時間、海にいる」こと。
「長い時間、海にいる」ことで天候が変化する場合があります。

例えば上の写真のように波が高くなっていた、なんてこともあり得ます。
(※ちなみにこの時は前日の上陸時からこんな感じでしたが)

つまり、天候判断がとても大事になるのです。

天候判断にはまず情報収集=天気予報のチェックが重要です。
天気予報のチェックは、複数の天気予報サイトを見比べるといいでしょう。


こうしたカヤックツーリングにおけるリスクマネジメントについて、「なんとなく考える」のではなく「ちゃんと考える」ことで安全に対する意識が高まっていくと思います。
仲間と漕ぐことが多いカヤッカーはみんなで考え学び、一人で漕ぐことが多いカヤッカーは自分で本を読んだりして勉強してみてはいかがでしょうか?


サニーコーストカヤックスでは【セーフティ3講座パック】として安全に関する講義プログラムも実施しています。

サニーコーストカヤックスHP【セーフティ3講座パック】紹介ページ

サニーコーストカヤックス公式ブログ【セーフティパック】関連投稿


また、海上保安庁HPには【ウォーターセーフティガイド】というページが開設されており、カヤック(広義にカヌーと表記)やSUPの持ち物についてや、事故事例が公開されています。

海上保安庁HP【ウォーターセーフティガイド】


今の時代、有難いことに情報は簡単に手に入れることができます。
それにも関わらず「知らなかった」「聞いたことがない」というのは自分にだけ都合のいい言い訳になってしまうかもしれません。


カヤックツーリングにまつわる安全に関わる情報や知識、技術を積極的に収集・習得し、安全で楽しいカヤックライフを過ごしましょう!






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