2013年9月29日日曜日

アンドンクラゲ

苦手な方、ごめんなさい。
今回はクラゲシリーズ二回目、アンドンクラゲです。

(左手、白いのはカヤックのハルです)

アンドンクラゲは刺すクラゲです。毒もあります。
お盆過ぎに海水浴場でクラゲに刺された、という話を聞くことがあると思いますが、このアンドンクラゲこそが犯人です。

アンドンクラゲの傘(本体)は親指の先くらいのサイズでほぼ透明です。
そこから四本触手が伸びています。長さは20cmに達するものもあります。
傘が透明なので、波間ではまず発見できません。泳いでいて刺される所以です。
カヤックから写真を撮るのも相当凪いでいないとできないくらいです。


別名電気クラゲと言われるように、刺されるとチクッときます。
けして楽しい相手ではありません。
刺すのはニョロニョロと長い四本の触手です。
刺されるとミミズ腫れになることが多く、かゆみも後に引きます。


刺された時の被害としては、ビクッ!!とする痛みと、ミミズ腫れの傷跡と、蚊よりもしつこいかゆみです。
イメージとしてはアブやブヨくらいでしょうか。
ただ、個人差があるので一概には言い切れません。


アンドンクラゲは他のクラゲに比べて泳ぎが得意だそうです。
つまり動き回っています。迷惑なヤツラですね。
理由は知りませんが息継ぎをするかのように水面に傘(本体)を出すような動きもするので、カヤックを漕いでいてもパドルですくい上げてしまい落ちてきたヤツに刺される、なんてこともあり得ます。

ただ、被害者はもっぱら遊泳者です。
カヤックならこうして写真を撮る余裕もあります。ふふん。

アンドンクラゲは慣れないと見付けにくく、油断していると刺されてイヤな思いをします。
姿形を覚えて、発見できるようになれば泳ぐ場所を選ぶこともできるでしょう。

最後に。


タコクラゲ。
いやあ、なんて平和なクラゲでしょうかねえ。
だんだんコイツが可愛く思えてきました(笑)。

2013年9月19日木曜日

ひまわり通信 4

台風一過、実は被害がありました。
カヤックラックの横に植えていたひまわりの首がなくなっていました・・・。


強風に耐えきれずもげてしまったのかと思い周囲を探しましたが見付からず、悲しい気持ちになっているところに大家さんが声を掛けてくれました。

ほれ、と出されたのはひまわりでした。
台風で飛ばされてしまうだろうからと、僕の留守の間に首だけ採っておいてくれたのでした。


いやはや、感謝の言葉もありません。
不注意な店子のひまわりの面倒まで見てくれるなんて、うれしいですねえ。
これからも「山善ライスセンター」の看板は外しませんよ~(笑)。

手渡されたひまわりは二つともカラカラに乾燥し、もういつでも種が採れそうな具合です。
いよいよ、種の採集です。

2013年9月16日月曜日

台風にご用心!

台風18号が本州を縦断していっています。
こんな時の、カヤック屋さんの影の苦労話?です。


カヤック屋さんにとってカヤックは大事な商売道具です。壊れたり失くしたりしたら大変です。悲しいです。悔しいです。
そこで、台風が来るとなるとカヤックをしっかりと固定します。

僕の場合はロープを使います。車に載せる時と同じようにぎゅうと締めます。これで折れて壊れない限りは飛びません。


本当は前後一本ずつのロープではなくて数本のロープを使った方がより安全なのでしょうが、超大型台風でもなければまあ大丈夫でしょう、たぶん。


そしてさらにチェーンも通します。これは普段は盗難防止用のチェーンですが、万が一ロープがどうにかなった場合の最後の砦です。

こうしてしっかりと大事な財産であるカヤックをカヤックラックに固定するのですが、これだけでは安心できません。カヤックラックごと転がる危険もあるからです。
そこで最初の写真のようにラックそのものから四方でロープを取り、確保してあります。地面には50cmくらいの杭を打ち込んであります。

これで安心です。
今回も前回も、この方法でしっかりと養生し、そしてちゃんと耐えてくれました。


ただ、相手は自然です。
何が起こるか分かりませんし、人智などあっさり超えることもあるでしょう。
どれだけ備えても足りることはない、くらいに考えるのが相応というものです。

想定外、などという言い訳は結局は後の祭りです。(昨今では政府や大企業が連呼してますが)
安心しきらずにいつも気に掛けることが本当に大切なことなのではないでしょうか。

はてさて、今年はあと何回この作業をすることになるのやら・・・。

2013年9月8日日曜日

南伊勢町防災訓練 スペシャルツアー報告

9月1日、防災の日。
南伊勢町では毎年防災訓練が実施されていますが、今回は特に海辺での防災と観光客の安全確保という新しい要素が加えられた訓練となりました。

この日に向け、僕は「防災の日スペシャルツアー」として防災訓練に参加していただけるお客さまを募集しましたが、残念ながら集客に至りませんでした。
自分の思いを多くの皆さんへお伝えする難しさを痛感するとともに、それでもやらなければならない使命感も湧き、今回は僕のフィアンセに参加してもらうことにしました。

そうして迎えた当日。
朝8時50分ころにいつもカヤックを出艇している五ヶ所川の河口の浜へ行きました。


曇天微風の蒸し暑い海岸に着くと、カーン、カーンと金属音が響いていました。アオサ海苔の養殖の準備をする漁師さんが、網を張る杭を干潟に打ち込む音です。
夏の終わりから準備を始め、秋から種付けをし、そして冬に育ち、春先に収穫するアオサ海苔。
金属の杭を打ち込むのはすべて手作業です。大変な重労働だなあと眺めていると、町内放送が掛かり防災訓練の始まりを告げました。

午前9時、サイレンが五ヶ所浦に響き渡りました。

サイレンは海岸にいても良く聞こえ、津々浦々まで響いているだろうなと思わせました。
避難せよという指示を聞いてから移動開始。


潮が引いていたので防潮扉横の鉄製の階段を使わず、「1」と大きく書かれたコンクリートの階段から避難しました。

避難の際、ライフジャケットは脱がせずツアーの際に持ってきてもらうようお願いしている飲み物も一緒に持って移動しました。
ライフジャケットは万が一の際の大切な浮力体になりますし、防寒、耐衝撃、そして座布団、敷物にもなりえます。

僕はというと同じようにライフジャケットを着たまま飲み物を持ち、さらにいつも携帯している5Lサイズの防水バッグも持っていきました。
この防水バッグの中には携帯電話、ファーストエイドキット、フラッシュライト、エマージェンシーブランケットなどをまとめて入れています。

サイレンに合わせて町の人たちも避難を始めていました。
白いヘルメットを被り、「防災用品」と書かれたナップザックを背負っていく人たちが多く、町の人たちの防災訓練に対する真剣さが伝わってきました。

国道260号線を渡り、五ヶ所神社の境内を抜けて高台にある津波一次避難場所の五ヶ所保育園に着いたのは午前9時10分。
すでに多くの方々が避難し集まってきていました。


五ヶ所川河口の浜から避難に要した時間は10分ほどでした。
慌てずに歩いたので、実際はもう少し早く着くでしょう。

続々と集まってくる町の人たちは地区ごとに点呼を取り、人数の確認などをしていました。
午前9時半、訓練終了と解散の案内がされました。


その後も保育園の園内で消防団による訓練が行われましたが、僕らはそれには参加せずに帰ることにしました。

帰路、坂道を下って川沿いの道へ降りながら僕は、東北の津波の爪痕を思い出していました。この坂のどこまで津波は襲ってくるのだろうかと想像すると、避難訓練の大切さがしみじみと感じられました。



今回初めて参加させていただいた南伊勢町の防災訓練でしたが、色々と考えさせられるいい機会でした。

まずは町の人たちの関心の高さと真剣さに感激しました。この関心の高さは非常時に必ずいい結果につながると思いました。
また、実際浜辺から避難場所まで自分以外の人と一緒に行動するというのも、一人とは違い気を遣うものだということが分かり、いい経験になりました。

反省点・課題としては、水、食料の確保です。
カヤックのスクール、ツアーに参加されるお客さまと自分の食料をどうするのか?それは防災訓練にも非常食を背負って避難していた町の人たちを見て気付かされました。
また、漕いでいる途中でサイレンが鳴った場合の避難場所の確認も忘れてはいけません。ツアーでよく通るルート、休憩に上陸する浜から最も近い避難場所をチェックし、頭の中に叩き込むだけではなくマニュアル化して自分自身にとっても整理し分かりやすくしておくことが必要ではないかと思いました。

防災訓練は年に1回決まった日時に行います。ですが本当の災害はいつ来るかわかりません。
そして容赦なく人も町も襲います。
備えはヒトとモノとアタマでしなければなりません。
課題はまだまだありますが、そうした問題点が見えてきた防災訓練だったと思います。
この経験を活かして万が一の災害時にもお客さまの安全確保に努めていきたいと考えています。

来年も防災訓練には参加させていただこうと思っています。
今回情報をご提供いただき、ご協力してくださった南伊勢町役場の防災課の方々、そして南伊勢町観光協会に感謝いたします。


追記:この日の夜、映画「風立ちぬ」を鑑賞しました。
この映画には関東大震災に遭うシーンがあり、くしくも9月1日に観るという偶然に心が震えました。
映画の主人公のように僕は無償の行動を執ることができるだろうか自問させられ、より深く感銘を受けたのでした。