2014年9月27日土曜日

ミル、食べてみる。

「ミル」という海藻を知っていますか?

※画像はネットより拝借

こんなんです。
見た目は緑色のサンゴのようです。触るとぶよぶよしています。
とても食欲をそそる海藻ではありませんが、日本人は、伊勢人はたくましいのです。
そう、伊勢志摩では食べるのです。


近所のスーパーでこのようなかたちで販売されています。
以前から気になっていたのですが、微妙な価格に尻込みしてしまい手を出さなかったのですが、ついに購入してみました。
購入者特典として酢味噌も付けてくれました。


食べ方も袋に記載されています。
このあたりはいかにも日本的だなあと感じます。


このパッケージは酢味噌で和えれば食べられるようになっています。
お手軽、便利な今夜のおかずのプラス一品です。
けれどもスーパーには多数の在庫が並んでいました。

さて、袋から出し、まずは水を良く切ります。
匂いというほどの主張はなく、かすかに磯の気配がする程度です。


こうするともう緑色のサンゴという表現からも離れて緑色のうどんと例えたいところですが、ごめんなさい、どうしても脳みそに見えて仕方がありません。
それでもめげずにしっかりと水を切り、ボールに移して購入者特典としておまけしてくれた酢味噌と和えます。


酢味噌と和えたとたん、日本人の嗅覚は敏感に反応し、食欲がぐっと湧いてくるから不思議です。
見た目も他の食用海藻のそれと大差ありません。

そして盛り付けます。


いよいよ試食です。
お箸でつかみにくいところがまた海藻らしく、ここに来てけっこうテンションが上がってきました。

一口目。
まず思ったのが想像以上に歯ごたえがしっかりしているな、ということです。
ぶつり、とまではいきませんが、さくり、くらいには手応えがあります。意外です。
味はというと、これがほとんど無味です。
酢味噌の主張が強く、ミルそのものの味わいが分かりません。
風味というくらいの磯の雰囲気がする程度で、味よりも歯ごたえが気になります。

そんな不思議な食べ心地に僕はそれなりに箸を往復させていましたが、うちの奥さんはというともういいやというふうに別の物を食べ始めていました。

結論。
酒の肴にはなりませんね。
おかずといってもご飯がすすむたぐいのものでもありません。
ただ、酢味噌の爽やかさと独特の歯ごたえはなんとも涼しげで、夏の晩ご飯の一品として伊勢志摩の人たちに親しまれてきた所以ではないでしょうか。


僕も伊勢志摩に暮らして6年目。
まだまだ知らない食文化もあるものだなあと感じたのでした。

2014年9月11日木曜日

休養日 初めての船釣り

9月上旬の日曜日、臨時休業にさせていただき、義父と義父の釣り友達とうちの奥さんとで釣りに行ってきました。
場所は熊野市の新鹿(あたしか)です。

今回は船釣りです。義父が長年お付き合いのある船頭さん。良く日焼けした肌と潮風に刻まれたような深いしわが、新鹿の海を知り尽くしていると物語っているようでした。

まだ夜の明けきらない薄明の海へと船はゆっくり向かっていきました。

釣り道具一式は義父とそのお友達に借りました。
一応、自分の釣り具も持っていきましたが、今回は生まれて初めての船釣り、しかも電動リールを使う餌釣りです。まったく勝手が違います。


仕掛けもルアーよりも複雑で、天秤とかカゴとかいろいろとぶら下がり、僕にはクリスマスツリーの飾りのようにも見えました。
エサはオキアミです。凍ったのを船頭のおっちゃんが手際よくザルに小分けしてくれます。この細かなこの気遣いも普段のカヤックフィッシングでは味わえないものでした。

特に繁忙期の8月を乗り切ってすぐだったからでしょうか、仕事では僕が細々と動いてお客さんのためにいろいろとご奉仕しますが、それを僕自身にされるとなんともくすぐったいような感覚でした。

さて。
船は新鹿の湾口の洞窟を過ぎて、特になにも目標物もないところで止まりました。
どうやらここが釣りのポイントのようですが、船頭のおっちゃんは陸のほうを右を見て左を見て、そして魚探で水深を確認しているようでした。

とりあえず言われたとおりに竿を降ろします。
船頭のおっちゃんに手取り足取り面倒を見てもらっている横で、経験者であるうちの奥さんが手早く釣り始めていて、少し闘争心が湧きます。
と、義父と義父の友人とがそれぞれ魚を上げ始めました。

タイとサバ、そしてハタです。


なかなかのサイズです。
〆サバだなこりゃあと義父が言います。


こっちはクエ鍋や~と義父の顔がほころびます。
刺身も美味いと船頭が言います。
もうくやしくて仕方ありません。

と、やっと僕の竿にも当たりがきました。フィッシュオン!
上げてみるとハタでした。
これまた手頃なサイズです。
ちょっと船酔い気味だった奥さんにも笑顔が戻ります。


その奥さんもタイを上げました。
チダイですが、これもいいサイズです。
マダイよりもブルーの斑点が鮮やかで、尻尾のふちに違いがあります。
まあ、味の差は僕には分からないのでうれしい限りです。


ちょうどサバの群れにでも遭遇したのでしょうか、30分ほどサバ祭りになりました。
僕も計6尾ほど釣りましたが、小さいのはリリースしました。

そしてお約束。


はい。サメです。
船頭さんも種類は知らんと言ってましたが、後で調べたところおそらくホシザメと思われます。

このサメ、なんと3尾も釣られました。
僕と義父と友人さんと。
サバに寄ってきたのか、エサのオキアミに吊られて来たのか。
サイズはみな70cmほどでしょうか。

さすがにキープする気にはならずリリースしました。
と、船頭さん、これは生で食べられると、1尾をその場でさばいて振る舞ってくれました。
サメというとクセのある魚肉というイメージがありましたが、これは普通に食べることができました。
さすがはサメのタレの文化圏、名前は知らずともサメを食す知識はちゃんとあるのでした。

そんなこんなでこの釣果。


ウマヅラハギは義父からもらいました。
埋もれて見えませんが、カイワレもいます。

釣り船、エサ釣り、電動リールと今回の釣りは新しい釣りの世界を知ることができました。
いやあ、釣りの世界も奥が深いですねえ。
ほどほどにして本業の手漕ぎ小舟業がおろそかにならないようにします~。


追記
帰ってから奥さんになんで船の上で緊張した顔つきだったのって言われました。
どうやら海の上にいると、動力に関係なく‘スイッチ’が入っているようでした。笑
僕以外の船頭のいる船に乗るのも久しぶりでしたが(カヤックは一人乗りですし…)、それでも気になったのは船頭さんの「判断」でした。
先述した釣りポイントの確認の仕方ですが、あれはいわゆる「山立て」という手法でしょう。魚探は補助的にしか見ていませんでした。
また、太平洋岸ではなかなか体感できない潮流ですが、船頭さんは敏感に感じ取っているようでした。実際、キャストしてからずいぶんとラインが横に移動していっていたのは、船が風で流されただけではないようでした。
エンジンを切らずに漂わせている船から潮を読むというのはどういう感覚なのか、僕にはまだまだ想像もできません。
そして写真に撮らなかったことを後悔しているのが「スパンカー」の使用です。
スパンカーは船の後ろに立てる小さな三角帆で、簡単にいうと船首を風上に向けやすくする帆です。日が高く昇ってからは潮も風も強くなっていったので、その対処として船頭さんはスパンカーを広げました。その効果がどうだったのか、残念ながら僕には良く分かりませんでした。

シーカヤックとは違う、でも共通点もある船の世界。海の世界。そして船乗りの世界。
いろんな経験を積むことは僕の知的好奇心を刺激してやみません。

2014年9月5日金曜日

メンテナンス・デイ

9月に入って少し時間に余裕が出てきたのでカヤックのメンテナンスをしました。
今回のミッションは壊れたラダーの取り外しと、フットブレイス入れ替えのための取り外し2つです。


まずはラダーの取り外しです。
こちらは比較的簡単にとることができました。
ネジも錆びついておらず、素直に外せました。


続いてフットブレイスの取り外しです。
下の写真はラダーがついていたカヤックのコクピット内部です。上の写真のように横に立てた状態です。
青い丸で囲ったところが取り外した後の穴です。

こちらの取り外しには苦労しました。
10年以上前のカヤックで、しかも常に塩水にさらされるコクピットの内部なので、さすがに塩がこびりつき、ネジも硬くなっていました。
ドライバーで力任せにネジを回しているうちにネジ山がなめそうになりましたが、最後はダメ元で使ってみた電動工具で難なくネジが回ってくれ、無事に外すことができました。


もう一つのほうがこちら。下の写真です。
こちらも固着し、ネジがまわってくれません。
潤滑を良くするためにシリコンスプレーをしてみたりと時間を掛けましたが、最後はネジを切ったり、フットブレイスを固定していたレールを折ったりしなければ外せませんでした。


いやはや、なかなかうまくはいかないものですね。
でもとりあえず取り外しはすべて完了しました。
戦利品(?)は以下の写真です。


上の写真は定番のフットブレイスですね。
これを他のカヤックに取り付けたかったのです。

そしてこちらが取り外しに苦戦させられたフットブレイス。


使い方がデリケートな部分がありますが、それでもまだ使えるパーツです。

下はラダーです。


これは消耗部品である樹脂パーツが完全に劣化していて、ぽろぽろと欠けてきていました。
ツーリング中にラダーが壊れると大変なので、これはとりあえずお蔵入りです。樹脂パーツの交換ができれば日の目を見る日がまた来るかもしれません。
いまままでラダー付だったカヤックは、曲げ漕ぎ(スイープストローク)で頑張って操船していただきます。

ところが。
ここで大問題が発覚。
なんと交換したかったフットブレイスに合うネジがなかったのです。
外す前はラダー付だったのでそれ専用の短いネジで固定されていたのですが、フットブレイスのみをカヤックに装着するには別のネジが必要だったのです。
近所のホームセンターに駆け込むもちょうどいいのが無く、やむなくこの日の作業はここまでとしました。

段取りが悪いなあと自戒しつつ、でもカヤックの整備が少し進んだので自己満足もしたのでした。


最後に今日使った工具たちです。


こういう作業をするとあんな工具が欲しい、こんな工具も欲しいと欲が出てきますね。
男の子はすぐに道具を揃えたがるので良くありません。
手元にある道具で工夫することも大切ですね。

・・・でもサンダー欲しいな。笑