2013年5月29日水曜日

しまなみ海道潮流研修会3 ~伯方島一周ツーリング~

5月22日8:35、伯方島「伯方S・Cパーク」を出艇。

一番の難所である船折瀬戸を優先して通過したいのと、行程中の追い潮や風の予報などを考慮して反時計回りで伯方島を一周することに決めました。
そして突然師匠が「じゃあ何度も通ったことがある本橋くんに先頭をやってもらいましょう」と。やれやれ。なんだか瀬戸内カヤック横断隊の時もこんなノリだなあと思いながら漕ぎ出したのでした。

潮流表によればちょうど潮止まり、転流時間でしたが、船折瀬戸の入り口付近はすでに潮が返してきていて、若干向かい潮。岸沿いに反流、エディを探しながら遡って行きました。


慎重に漕ぎ進んでいきましたがこの日は大型船の行き来もなく、潮もだんだんと弱まりほとんど流れを感じることもなくなり、一時間ほどで伯方島の南東岸にある沖浦ビーチにたどり着けました。
やっぱり先頭、リーダーをやるのは緊張しますし気疲れするものですね。

10分ほどの休憩の後、その先はリーダーを交代して島を北上しました。
伯方島北東岸、首頭埼10:15着。
あまりにも順調に来てしまったので、次の大きな岬のトウビョウ鼻まで潮が実際にどんなふうに流れているか、動いているかを想像して、その場所を漕いでみようということになりました。


この時間帯の潮流は下げ潮、岡山県・香川県のほうから広島県・山口県・愛媛県のほうへと流れ出ていきますが、複雑に入り組んだしまなみ海道の島々の間はどうなっているのか、また、岸近くの反流、エディはどんなふうなのかを地図と景色を見ながら想像し、そして本当はどうなのかを検証しに漕ぎに行くということをしました。
海図には地形だけではなく水深も書いてあるので、そんなのも考えながら反流などを想像してみましたが、実際とは違ったり、潮流が思ったよりも早かったりとなかなか予想は当たらず、潮流を読む難しさとそのパワーを感じることができました。

トウビョウ鼻の東岸11:00上陸。昼食休憩。
ぽかぽか、というよりは夏のような日差しに焼かれ、もうすっかり春は終わったんだなあと感じさせてくれました。


12:00出発。
当初の予定では鼻栗瀬戸も15時くらいの転流時間に合わせて通過するつもりでしたが、ペースも早いしせっかくだから(!?)速い追い潮に乗って海峡を漕いでみましょう、ということになりました。


狭く潮流の速いところで追い潮に乗るのは危険を伴います。なぜならば何かあった時に止まれない、戻れないからです。
そういう時に初日に練習したような流れの中でカヤックをコントロールする技術と、地形を読んで反流やエディを見付けてそこへ行くことが必要になります。

12:45鼻栗瀬戸の入り口、大長埼通過。
いよいよ鼻栗瀬戸へと侵入していきました。
ここは船折瀬戸よりも幅が狭く、流れているので本当に川のように感じました。

船の行き来に注意しながら核心部へと漕いで行きましたが・・・、なんだかあんまり変化がありません。確かに流れてはいますが複雑な流れではなく、素直です。
あれ?あれれ?という感じにみんなで流れていき、13:30無事通過。
ずいぶん脅かしたわりに平和でしたねえと講師陣。潮流は読み切れないものですね。

その後は少し吹き出した西風の追い風・追い波に乗って伯方S・Cパークへ。
14:00上陸。

パパッと片付けをしてからフィードバック。
今回のような場所で漕ぐ機会というのはなかなか無く、参加した皆さんも非常に充実したようでした。
最後に研修の修了証をいただき、終了、解散。
これでまた僕には日本各地のカヤック屋さんとつながりもでき、とても楽しい、そしてちょっとハードな二日間にわたる研修会でした!

講師の皆さん、そして参加された皆さん、ありがとうございました。


JSCA(日本セーフティカヌーイング協会)ではこうした研修会を年数回実施しています。
こういったレベルの高い研修、講習というのはカヤック屋さんとして商売を始めてからはなかなか受講できないものですが、得られるものは計り知れないので僕は定期的に、積極的に参加していきたいと思います。

2013年5月27日月曜日

しまなみ海道潮流研修会2 ~ツーリング計画と大三島のお宿~

能島・船折瀬戸での講習を終え、無事に伯方S・Cパークに戻ってきてから、翌日のツーリングの課題を出されました。


海図、潮汐表、潮流表を参考にして、伯方島を一周する。
それには船折瀬戸を通過するだけではなく、島の西側にある大三島との海峡・鼻栗瀬戸も通過しなければならず、さらに風などの天候も考慮しなければなりません。

二班に分かれてさっそくプランニングを始めました。
一時間後、それぞれの班が出したプランを講師陣が確認。干満の時間と転流時間(潮流が緩まり、上げ潮から下げ潮へ、またはその逆で潮流の向きが変わる時間)との誤差や、スタート地点をどこにし二つの難所を通過するかの計画をみんなで話し合いました。

スタート地点は伯方S・Cパークに決まりましたが、島を時計回りするか反時計回りするかは明日の天候次第とし、初日の研修を終了しました。


今回のお宿は大三島にある「しまなみふれあい交流館」廃校になった校舎を再生した宿泊施設です。
校庭にはジャングルジムや朝礼台が残り、立派な巨木が威風堂々と立っていました。きっと多くの子供たちの成長を見守ってきたのであろう巨木は、やさしい潮風に吹かれてさわさわと揺れていました。

正面玄関の横の手洗い場。
下駄箱。
踊り場のある階段と、低い位置に取り付けられた大きな鏡。
片側に部屋の並ぶ長い廊下。

なんだか懐かしい気分に浸れるお宿で、心地よい疲労感と日焼けで火照った身体を楽しむように、カヤック屋のおじさん達は教室だった部屋で酒を酌み交わしたのでした。


翌日は六時半起き、七時半チェックアウト。
快晴。風は午後から西寄りの予報。



2日目の講習が始まりました。


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2013年5月24日金曜日

しまなみ海道潮流研修会1 ~船折瀬戸で瀬遊び~

2013年5月21日、22日に開催されましたJSCA主催「しまなみ海道潮流研修会」に参加してきました。

講師を務めるのは姫路にベースを構えるアクロス瀬戸内カヌースクールの阪井さんと、僕の師匠でもある伊勢志摩のパドルコースト吉角さん、そしてゲスト講師として長野県のUCDi ウクディパドリングスクール中村さんも駆け付けてくれました。


参加者は全部で5人。全員カヌー屋さん。
皆さんそれぞれ腕に覚えのある方々ばかりで、この研修会でいろいろと学んでいこうという意気込みが感じられました。
その証拠に、講師のほうから今日はヘルメットを被っていきましょうか、と言われると全員がきちっとヘルメットを着用していました。なかなかシーカヤックをする時にヘルメットは持参しないものですが、さすがと思える場面でした。

潮流の時間に合わせて8時半過ぎには伯方S・Cパークを出発しました。

一日目の課題は、実際に早い潮流の中でカヤックをしっかりコントロールすること。
目指したのはしまなみ海道のほぼ真ん中に位置する伯方島の南側にある鵜島の下、能島(のじま)周辺の海域です。

そこへ行くまでにもところどころ流れていたり湧き上がっていたり小さな渦ができていたりするところを通り越し、鵜島と能島の間の狭いところまでくるとまさに川のように流れているところがあり、流れを観察し、そして横切ったり、さらには漕ぎ上がったりして身体を慣らせていきました。


午前中は能島の南側にある流れのきついところで集中的にボートコントロールの練習をしました。
やることはいわゆるフェリーグライドという流れを横切る漕ぎ方・カヤックの操作です。
川での経験が多少はある僕も、シーカヤックという大きな船をうまく操作するのに苦戦し、そして川とは比べ物にならないパワーのある潮流という流れに怖気づき、大胆に動くことがなかなかできません。
そんなヘナチョコな状態は講師の方々にはバレバレで、ビビッてるだけだよ~と発破をかけられました。

そうこうしているうちに参加者の何人かが流れにカヤックを喰われてひっくり返ったりし始め、しなければいいのに海に手を差し入れて「冷たいなあ・・・」とネガティブ思考へ。お昼休憩に上陸するころまでほとんどいいイメージも掴めぬまま終わりました。

休憩後、中村さんがデモンストレーションを披露。


普段はリバーカヤック専門でシーカヤックにはほとんど乗っていないのに、午前中ビビッて苦戦していた流れをまるでせせらぎでも漕ぐように軽やかに横切り、漕ぎ上がるのを目の当たりにし、関心するだけではなく闘志も沸き起こり、その後は度胸をついてなんとなく流れの中でカヤックをコントロールすることができるようになりました。

最後にそこをみんなで漕ぎ上がり、今日の仕上げに船折瀬戸へ向かいました。

船折瀬戸は伯方島と鵜島の間にある海峡で、その名の通りしまなみ海道の難所の一つです。
僕は毎年参加している瀬戸内カヤック横断隊で何度も通過していますが、横断隊の時は一週間分の装備と食料を重積載してるので潮流が収まる転流時にしか来たことがなく、今回のようにまだしっかりと、がっつりと流れている船折瀬戸を見るのは初めてでした。

大河、という表現ですら納まらない圧倒的なスケール感。
この狭い海峡をどれだけの海水が流れ蠢いているのかを想像するだけでそのパワーが伝わってくるようでした。

岸沿いに反流を探しながら漕ぎ上がります。
そして吉角さんから、じゃあ渡りましょうかと気楽で気軽な言葉が出てきます。
やれやれ。さあ渡ってやろうと意気込むものの、ここは大型船が行き来する航路でもあります。
タイミング悪く数隻来てしまい、岸際の岩影のエディでやりすごし、いよいよみんなで渡り始めました。


見た目の激しさこそないものの、その流速は増水した川くらいはあり、漕ぐ手を休めれば瞬く間に下流へ流されてしまうでしょう。行き交う大型船も、上りか下りかでスピードがまるで違っていました。
慎重に、かつ大胆に漕ぎ渡り一安心。思ったほど大変でもなく、だんだんと潮流に慣れてきたのかもしれません。

ところが。今日の講習を終えさあ帰りましょうという時、突然僕のカヤックが後ろから引っ張られるような感覚に襲われました。力強く漕いでも前に進めず、カヤックはぐるりと回転し始めました。阪井さんに声を掛けられるまで自分になにが起こっているのかが分からず多少パニックになりました。
渦の仕業です。
ほんの直径1~1.5mほどの渦が僕のカヤックのスターン(後ろ側)を捕え、阪井さんいわくターンテーブルに乗ったように僕はゆっくりと回転していたそうです。
怖いですねえ。

こうして潮流をたっぷり?味わえ、帰路は追い潮に乗って伯方S・Cパークへ戻ったのでした。


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注)船折瀬戸に限らず、潮流の激しい場所でのパドリングは非常に危険です。
  今回の研修会は講師三名、そして参加者も全員カヌー屋さんで経験豊かな方ばかりでした。
  個人で、またはグループで安易に今回のような場所でパドリングすることは大きなリスクを伴うことをご理解ください。
  流れの中でのパドリングを練習したいシーカヤック愛好家の皆さま、ぜひ川へ行きましょう。
  本気で沈してしまい、真面目にロールをしなければならない経験は川では当たり前です。

2013年5月17日金曜日

金沢旅行3 ~千里浜の夕日~

能登島で無事にイルカたちと会え、能登島の温泉「島の湯」で潮を落として帰路につきました。


無料化された快適な「のと里山海道」を途中下車して、羽咋市千里浜の「なぎさドライブウェイ」へ。
ここは砂浜を普通車でも走れる海岸で、夕映えの砂浜にはたくさんの人たち(ほとんどカップルでしたが・・・)が日本海に沈みゆく夕日を眺めていました。


ここを走るのは何年ぶりだったでしょうか。
前回、このあたりに来たのは東北の震災直後のことでした。
その時はこの浜を車で走る気分にはなれず、高速をひた走って伊勢へ帰った記憶があります。
今は、助手席には相方が座り、後部座席には僕たち二人にとって大切な友人がいます。

僕たちと並走するように群れで飛ぶ小鳥たちと競うように車を走らせ、絶え間なく打ち寄せる優しい潮騒を聞いていると、そんな時の移り変わりを感じてしまうのでした。


金沢で友人と別れて四時間足らずで三重に。意外と近いものだなあと再発見。
また行きたいと思わせる、金沢の街並みと能登の海でした。


おまけ。
初めて動画を投稿してみました!


ちゃんと見れてますか?
イルカが潮を吹いているのも撮れてましたねえ。

これからはこんなのもアップしていきたいですね。

2013年5月16日木曜日

金沢旅行2 ~能登島でイルカ~

さて、金沢旅行の二日目です。

日頃の行いがいいのか、日曜日は絶好のカヤック日和となりました!
能登半島の東側にある能登島そわじ浦に着いたのは10時過ぎ。ぱたぱたと準備をして出艇したのは11時になりました。


シングル艇に乗るのは初めての友達に軽くレクチャー。
そわじ浦は遠浅で、とても講習がしやすかったですねえ。と、どうしても商売目線になってしまうのは職業病でしょうか?笑

そしていよいよ出発。
そそり立つような岩場を回り込んで目的の入り江を目指します。


そして、、、いました!
イルカです!!
この能登島にはイルカの家族が住みついていて、運がいいとこうしてイルカたちと出会えるのです。

もともとは2頭だったのがだんだん繁殖して、今では8頭もいるそうです。
外敵のいないこの能登島でイルカたちは伸び伸びと暮らしているようですが、最近では観光船だけではなくていろんな船が出入りするようになり、夏にはジェットスキーまで集まるそうです。

確かにイルカと海の上で出会えるのはとても感動的ですが、僕らカヤッカーも含めてこの島での遊び方を考えていかないと、イルカたちの生活を脅かしてしまうかもしれません。


一時間ほど追いかけっこなどをして引き返しました。

イルカは人の心を読む、なんて言われていますが、僕たちの気持ちはイルカたちに伝わっていたでしょうか?それとも見透かされているのかもしれませんね。
この素晴らしいイルカとカヤックの海上セッションをいつまでも楽しめるように、これからもっともっといろんなことを考えていかなければならないでしょう。

まずは今回の出会いに感謝です!
イルカたち、ありがと~。


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2013年5月14日火曜日

金沢旅行1 ~市内をお散歩~

この週末、車にカヤックを積んで金沢の友人を訪ねてきました。

土曜日は生憎の雨模様。
カヤックを漕ぐのは日曜日に変更して、金沢市内へお散歩しに行ってきました。


加賀百万石の城下町、金沢。
市内を流れる浅野川のほとりに、迷路のように入り組んだ昔ながらの町屋の路地をあっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
傘を差していると人とすれ違うこともできず、自然とあいさつの言葉が出てくるのも旅情を掻き立てます。


金沢といえば金箔。
そんな金箔をコンセプトにした雑貨屋さんを覗いてみると、金箔を壁面いっぱいに貼り合わせたお蔵が!圧巻です。


たくさん歩いた後は近江町市場で魚を買ってきて、お手軽海鮮丼を作りました。
友達が持っていた食用金箔を振って出来上がり!
なんと豪華なんでしょう!!

いつも太平洋のお魚に満足していますが、こうして日本海のお魚を食べるとつくずく日本は海に囲まれている島国なんだなあと感じます。
海の幸に乾杯!


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2013年5月9日木曜日

ひまわりの種

サニーコーストカヤックスの施設案内も一段落しましたので、他のお題で。

今朝もちょこっと早起きしまして土いじり。
いただいたひまわりとミニトマトの種を、玄関先の植え込みに蒔きました。


水商売をしているとこんなちょっとした畑仕事(なんていうと本業の方にドヤされそうですが)にも、ほっこりとしてしまいます。

朝露で少し水気の多い土を掘り返し、立ち上る大地の匂いを胸いっぱいに吸い込む。
身体を動かし、日が昇り、いつしか肌寒さも感じなくなる。
ふと見上げる空は青さを増し、鳥たちがよりいっそうせわしなく飛び交い始める。


もう季節は春から夏へと移り変わりつつあるように感じる、朝飯前の一仕事でした。

2013年5月2日木曜日

サニーコーストカヤックス施設案内4 ~トイレ&シャワー~

サニーコーストカヤックスの施設案内も四回目となりました。
今回はトイレとシャワーです。



前回ご紹介したゲストルームの外には、土間続きで奥にトイレとシャワーがあります。
廊下の壁にはJSCA公認スクール証が飾ってあります。


右側にトイレ、左側がシャワー室です。
暖簾の趣味については後日再考する余地ありですね。


シャワーは普通に家庭用ですので、コイン式やタイマー式ではありません。
節水にご協力ください。


そして!
ドライヤー完備!!
素晴らしい・・・。
本人は使い方も知りませ~ん(笑)。


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