2013年10月19日土曜日

のり網のある風景

あおさのりの養殖が始まりました。


浅瀬に杭を何本も打ち込み、そこに網を掛けてあおさのりを育てます。
あおさのりは南伊勢の特産品の一つに挙げられます。


杭を打ち込むのが九月に入ってから。その後、網を掛けて種付けをしていきます。
黒海苔は人為的に種付けをするようですが、あおさのり(青海苔)は自然に種付けをしているようです。川の河口近くなどに網を掛け、種付けをします。

近所のおばちゃんに聞いた話では、五ヶ所の漁師は志摩へ、志摩の漁師は五ヶ所で種付けをして、それから自分たちの所で改めて網を張るそうです。
理由は分からんが昔からそうやねえ、と言っていました。


種付けが済むと網を広げていきます。
こうして一冬、山や川からの栄養分をたっぷりもらってあおさが成長していくのです。


赤だしにあおさのお味噌汁。これが伊勢志摩の朝餉のおもてなしです。

2013年10月9日水曜日

秋、深まりて

サニーコーストカヤックスのベースの駐車場の傍らに、柿の木が一本立っています。


今年の伊勢志摩は、心なしか柿の実が生るのが早かったように感じます。
この柿も九月中旬には生りはじめていたように記憶しています。

この柿の木、背丈は僕の肩くらいしかありません。
そして実も一つだけです。
根元にはシートを被せて雑草除けを施し、それなりに家人(たぶん大家さん)の手厚い保護が見て取れますが、なんとも小ぶりな、可愛らしい柿の木です。


そんな小さな柿の木でも、橙よりも色濃く、朱までは染まらず、熟していきます。
秋空に映える柿の実もまた、この季節の風物詩でしょう。

伊勢志摩で柿といえば蓮台寺柿が有名です。
渋柿なので渋抜きが必要ですが、非常に糖度が高く、干し柿にした「ひなたやけ」は伊勢の人々のちょっと贅沢な秋のおもてなしです。


この実り多い季節に、伊勢神宮のご遷宮(遷御の儀)が内宮、外宮ともに執り行われました。
はたして柿がお供えされたかどうかは知りませんが、お参りに来られた多くの方々や神宮さんの関係者の皆さまの口にはきっと供されたのではないでしょうか。


秋が深まっていくのがまざまざと感じられる、南伊勢の空です。