2014年7月23日水曜日

たまにはフィッシングカヤックin三木里

先日、三木里へ釣りに行きました。
もちろんカヤックでです。



フィッシングカヤックは近年、急激に人気が出てきていてるカヤックアクティビティで、僕も年数回ですが仲良しグループ(全員シーカヤックガイドさんたち)で遊びに行っています。

今回は釣りといえばこの人、レインボー三河湾シーカヤックスクール代表の中谷さんとスタッフのサエミちゃん、尾鷲周辺の海のことなら海岸線のみならず海底の地形も魚の住処までも把握していると噂の小山ハウス代表森田さん、そして今回初参戦は御座白浜に拠点を置く日本を代表するシーカヤックガイド・アルガフォレスト柴田氏もお越しになりました。

使用艇は中谷さんが持ってきてくださったロックンロールカヤックスの‘デスペラード’とラプターカヤックスの‘ファルコン140’。FRP製の高速フィッシングカヤックばかりです。
気の短い(?)シーカヤックガイドさんたちは、速くないとじれったいのです。


ということで7:00に三木里海水浴場に集合。
釣りをしにくるとどうも普段のカヤックの時とは勝手が違い、柴田さんも「このアウェイ感がなんとも、、、」と言っています。その横では中谷さんたちがテキパキと準備を進めていました。ベテランの風格を超し、もはや先生の域です。
そして出艇。
シットオンカヤックを漕ぐ柴田さんを生で見たのは僕たちだけでしょう。しかも初フィッシングカヤックです。レアですね。

浜から1kmほどのところ、魚探で水深を確認してとりあえず竿をおろしてみました。ちなみに森田さんは水深をだいたい言い当てていました。水深20mくらいだと底まで見えているんでしょう、きっと。

僕らの釣りはいつもルアーです。
どんなのを付けたらいいかは中谷さんにお任せ。僕は朝一は鯛ラバにしました。

と、なんと僕の竿に反応が!
一投目からいい感じです。
そして二投目。来た。来ました。
ぐいぐいとそれなりに引いています。エソではなさそうだなあ、こりゃあ食べられるお魚だなんて考えながらリールを巻いていくと上がったのはオウモンハタでした!
サイズは30cm少々といったところでしょうか。手頃な(食べ頃な)サイズです。



その後はまったく反応なく、みんなでもう少し沖へ行くことにしました。
でも僕はもう心の余裕が違います。さあ次は何を釣っちゃおうかなあ、みたいな尊大な気分です。

しばらくするとみんなも釣り上げ始めました。
サバです。20cmから30cmほどのなかなかいい大きさです。
といいますか、これから先はサバだらけになりました。サバ祭り。入れ食いです。



柴田さんもサバを釣り上げ、1匹目の時は見たこともないような笑みをこぼし、いや、なんて言うかさ、この滑り止めで受験した高校に受かったような安心感がね、うん、とご満悦。
でも3匹目を上げたころにはもうサバはいいやという感じでした。



中谷さんもサエミちゃんも着々とサバをあげています。
僕も3匹釣りました。刺身用と〆サバ用と塩焼き用です。もう十分です。

ところが森田さんが大苦戦。なぜかサバすら掛かりません。
それなりに意気消沈しているところでやっとヒット!
しかもサバではなくオニカサゴ。それも特大サイズでした!!



そんなこんなでみんなで大漁。
途中の浜で処理も済ませ、昼過ぎには竿を仕舞ったのでした。



フィッシングカヤック、やっぱり釣れると楽しいですねえ。
次回は秋以降。しばらくは本業に専念しなければならなくなりそうです。


またこの笑顔を取り戻しに(?)太公望と洒落込みたいものです。
一緒に遊んでくださった諸先輩たち、ありがとうございました。
そして三木里の海、美味しい魚をご馳走さまでした。


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2014年7月10日木曜日

シーカヤック海旅塾 湯浅湾に参加して

六月初旬、シーカヤック海旅塾に参加してきました。

昨年2013年から内田正洋さん(海洋ジャーナリスト、東京海洋大学講師)が始めた「渚の講座」海旅塾。
山口県や岡山県、そしてここ和歌山県湯浅湾でも開催し、多くの受講生を受け入れてきました。
瀬戸内カヤック横断隊でも大恩ある内田隊長あらため内田塾長の講義を拝聴しようと、紀伊半島の山道を越えて湯浅へ行ってきました。


海旅塾は講義ですが、教室で机に座って黒板に向かい先生の話を聞くわけではありません。
シーカヤックにキャンプ道具を積み込んで無人の浜へと漕ぎ出し、そこで講義は行われます。
もちろん宿泊はテント泊です。


野外での講義なので天候に左右されます。
日に焼かれ、雨に打たれることもありました。
そんな時はタープを張り、その下で講義は進められました。


講義はあらかじめ講師(海旅塾では航師と呼びます)が用意したレジメに沿って進めていきますが、海旅塾ではそれ以外の時間、例えばシーカヤックで海を漕ぐ時間はもちろん、上陸して焚火を熾すこともテントを張ることも講義に含まれます。
シーカヤックツーリング(海旅)ではそのすべてが学びの場であり、講師は内田塾長とアイランドストリーム代表の平田航師だけではなく、湯浅の海とそれを取り巻く自然そのものでした。


シーカヤックで海へ漕ぎ出すことを出艇といいますが、陸から離れて海へと漕ぎ出すのですから「離陸」ともいえます。
陸から離れること、海へ出ることは陸の上とは違う世界であり、そこでは違う視点、考え方が必要になってきます。シーカヤックをしているとこの「海からの視点」は自然と身に付いてくるものです。
そしてそれこそが海旅塾の大きな課題の一つといえるかもしれません。

海からの視点を養う。
それはグローバルな視点を培うのと同じではないでしょうか。


離陸する前には必ずブリーフィングが行われました。
海図、地図を広げて今どこにいてこれからどこへ向かおうとしているのか、今日の天気はどうか、海上交通の注意点などもみんなで共有します。
こうして意識の共有をすることも海旅ではとても大切なことです。

誰かの後ろについていけばいいや、ではシーカヤックは面白くありません。
シーカヤックに乗ったら一人一人が船長であり、機関長であり、そして気象観測員でもあります。
それぞれがシーマンシップに則って行動する、これも大きなテーマの一つだったと感じます。


湯浅湾には鷹島という無人島があり、そこには縄文時代から人が住んでいました。
そこでは鷹島式縄文土器という独特の土器が発掘され、しかも同様の土器が日本各地で発見されているとか。
湯浅湾は瀬戸内の海の玄関口にあり、古代から人々の海上交通の要所であり、また、その当時から舟での航海も含む人々の移動が盛んであった証左ではないでしょうか。

こうしたその土地その土地の歴史に触れるのも海旅の醍醐味。
今は無人の島に在りし日の名残を探して上陸し、先人たちの暮らしに思いを馳せる。
シーカヤックでの旅では時間軸がぐーっと延び、昨日とか明日とかではなく、数百年、数世紀前のことにも直結することがあり、それは逆に数百年先、数世紀先のことをも考えるきっかけにもなり得ます。


二泊三日の海旅中、天気には翻弄されました。
初日から不穏な雲行きで、風が強く吹くシーンもあり小雨もぱらつきました。
2日目は多少風は落ち着きましたが夕方からは本降りの雨となり、タープから出れない時間もありました。
最終日は晴れ間が広がりましたが午後から風が上がる雰囲気があり、午前中の講義は野営した浜から移動して行われました。

こうした判断もみんなで共有します。
そしてこの天気を含む海の状況を先読みする、予測することを「海気を読む」と表現します。
海気とは「海の気、海辺の空気」と辞書に記載のある立派な日本語です(こちらは三星堂大辞林より引用)。
海気を読むとは、海の気配、様子を伺い、観察し、多くの情報を得、そして判断することです。けっして超能力的なものではなく、シーカヤックをするうえでは必要な当たり前のことです。
ただ、そう意識してやっているかどうかは別ですね。そして海気という言葉が我が国に昔からあったという発見にも驚かされるとともに、どこかでなるほどなあと納得もしたのでした。

海旅塾ではその他にも「日本語」の発見がたくさんありました。
それは気付きの連続でした。
そんなの当たり前だよねえ、と思っていることをあらためて考えることで新しい発見があり、深く知るきっかけになるのです。


そんな3日間。本当に知恵熱でも出そうなほどにいろんな知識の洪水でした。津波のような講義でした。
今回は僕と同様プロガイドで高松のフリップサイドの植村さんも参加していました。そしてガイド志望の方が一人、あと二人はシーカヤック初心者の方でした。
こんなに参加者の経験に差があるのに、それぞれが多くのことを学ぶことができました。
経験や予備知識があってもなくても、海旅塾ではそれぞれが気付きと学びを得ることができるのだなあと思います。

最後の講義に「学びの循環」という話がありました。
そこで重要なことは学んでいく過程での’振り返ること’だと述べられていました。
振り返り(Evaluation)。
それはこのブログであり、そして提出が義務付けられているレポートもそうです。
振り返りが遅くなりましたが、こうして時間をおいたことで自然と自分の心と頭に残ったこと、身に付いたことがするすると書けたように思います。

塾長の内田さん、航師の平田さん、本当にありがとうございました!


シーカヤック海旅塾、今度は秋に開講予定です。
シーカヤック海旅塾 湯浅湾10月9日(木)~11日(土)

そして、サニーコーストカヤックスも今年度中に海旅塾開校へ向け準備を進めていきます!
詳細は後々アップしていきます。
どうぞご期待ください!

2014年7月4日金曜日

JSCAベーシックインストラクター検定 蒲郡会場

日本セーフティカヌーイング協会(JSCA)のベーシックインストラクター検定会が三河湾シーカヤックスクール・レインボーにて開催され、その検定官研修に参加してきました。


ベーシックインストラクター検定は、3つの講義と筆記テスト、水上での技術検定と水辺の安全講習(セーフティ&レスキュープログラム講習)の二日間に渡るJSCAの新しいカヌー指導員認定制度です。
(JSCAカヌー指導員の概要を詳しく知りたいかたはこちら!

受験されたのは三名。皆さんカヌー、カヤックに関連したお仕事をしている方、もしくはこれから始めようとしている方ばかりでした。
講師・検定官はレインボー代表の中谷さんと、JSCA会長にしてコア アウトフィッターズ代表・山口さん。山口さんはIT(インストラクター・トレーナー)でもあり、今回は初めて検定官を務める中谷さんの補佐役に三浦半島から来ていただきました。

初日の講義はレインボー店内です。
JSCA指導者検定会テキストブックをもとに作成したレジュメとホワイトボードを使って、一時間半の講義と筆記試験とを丸一日掛けて行います。


授業、のようなものを受けるのも久しぶり、というよりも学生時代以来ではないでしょうか。
それでも安全で楽しいカヌーを提供するのに必要な基本的な講義は内容が濃く、深く、真剣に検定官の一言一句を観て聴いて、メモを取る音が聞こえてきました。
筆記試験もきっと数年ぶりでしょう(もしかすると数十年ぶり??)、怒涛の知識に押し流されそうになりながらも一日目を終えたのでした。

僕とレインボーのスタッフ・サエミちゃん、山口さんと一緒に来たしーかやっく うみうし代表・大野さんは研修です。
今後(もしくはそう遠くはない将来?)、検定官として講義をどう進めていくのか、そして採点方法などを勉強させていただきました。
筆記試験の採点も回答をどう読み、どの程度の点数をつけるかなど目合わせの仕方も実際に参加させてもらい、ははあと感嘆をもらしながら学ばせていただけたのでした。


二日目。
今度は実技検定です。
水上で基礎となるパドリング技術を採点します。

検定前に少し時間を割き、最後の練習時間がありました。
皆さんとても真剣で、どうやら自分の苦手な科目を集中的に確認しているようでした。

そしていよいよ検定です。
まずデモンストレーションをサエミちゃんがやり、その後で受験者の皆さんが漕ぎます。
浜には山口さん、中谷さんの両検定官と、研修の大野さんと本橋、そして昨日から撮影担当として参加しているスプリントの福岡さんが待ち構えます。


検定になるとなかなか本来の実力は発揮できないものです。
さっきまでスムーズに漕いでいたのに検定になった途端、皆さん動きが固くなりました。
なにしろデモをしていたサエミちゃんですら少々カタさが見て取れます。
そりゃあ緊張しますよね。

僕ら浜にいる検定官はバインダーを持って受験者の一挙手一投足を注視していました。
デモをし終わったサエミちゃんも加わり、5人で採点をします。
ここでも採点基準の目合わせが大事です。
どこを見るのか、なにが重要なのか、そしてどう採点するか。
IT(インストラクタートレーナー)として各種検定を担当してきた山口さんと大野さんの経験から、新しくスタートしたベーシックインストラクター検定の検定基準を決めていきます。

実技検定が終わった後は検定科目のフィードバックです。
今回は大野さんが担当し、特にキャッチについて講習しました。
ここでも人のやるインストラクションを見ることができ、勉強になりました。

お昼休憩を挟んでSRP(セーフティ&レスキュープログラム)研修です。
グループレスキューと牽引(トーイング)に集中して研修が行われました。
こうした研修は実際にやるのが一番です。しかも何回も。
受験者の皆さんも積極的に何度もトライし、頭で手順を覚えるのではなく、体が勝手に動くようになるまで反復していました。

SRP研修も終わり、海から撤収してレインボーのお店へ戻りました。
そうして夕方。結果発表です。
今回は、、、全員合格です!!
おめでとうございます&おつかれさまでした!


今回、僕は研修というかたちで検定会を見学させていただきました。
JSCAの検定会に立ち会うのは自分がインストラクター1を受験してから5年振りです。
自分個人としても次はシーカヤック・インストラクター2検定を目指し、できればさらにリバーカヤックなどの検定にも挑戦していきたいと考えていましたが、それだけではなく、逆に自分が検定官になるという目標もできました。
インストラクターは教えるだけではなく自分自身も教わり、そして成長していくものだと常々感じていましたが、検定官もまた同じように、いや、それ以上に学び多い仕事ではないかと思いました。

まだまだ道半ば、それどころか五里霧中ですが、自分が漕ぎ出した岸辺を振り返りつつ、信じた道を一歩一歩、一漕ぎ一漕ぎ進んでいきたいものです。