今年は履修希望者が殺到したため、二回に分けて実施。
二回目はなんと25名の生徒が受講しました。
本拠地となった尾鷲市・須賀利の浜辺に30艇以上のカヤックが並びました。
開講にあたって今回も尾鷲海上保安本部の方から安全説明をしていただきました。
そして講義開始。
25人を4班に別け、まずはカヤックやライフジャケットなどの装備の振り分けをしていきます。
これから4日間、相棒となるカヤックについて基本的なレクチャーをします。
講義は陸上で講習し、その後で海上での講習、練習という流れで進めていきます。
最初のうちは乗っているだけでフラフラしていましたが、段々と自分の意思でカヤックを操作できるようになっていきます。
はいチーズ!
ではなくて(笑)、旋回と真横移動漕ぎを覚えたので筏組みをしました。
二日目の昼前には基本ストロークは一通りできるようになってきましたね。
講義は覚えて身体を動かすだけではありません。
こうして生徒同士で模擬講習を行うことで、より深く学びを得ていきます。
百聞は一見にしかず。百見は一体験にしかず。百の体験は誰かに語り伝えることにしかず、です。
お昼ご飯はタープの下で。
野外ではこんな薄布一枚でも、日差しを遮り風を通し、とっても居心地のいい食堂になるのです。
二日目の午後はショートツーリングへ出掛けました。
30艇ものカヤックがバラバラに漕ぐわけにはいかないので、フォーメーション(隊列)を組んでいきます。
やっとの思いで辿り着いた浜に上がると、尾鷲らしい雨が降ってきました。
為すすべもなく、ただ雨に打たれる学生たちの胸の内はどんなものだったのか、興味深いです。
雨が上がったのでここで再乗艇(セルフレスキュー)の講習をしました。
全員がちゃんと自分のカヤックに乗り込むことができました!
オウン・リスク。
セルフレスキューはシーカヤック乗りなら必ず習得しておかなければならない技術です。
しかも二重になっていて、なんだかご褒美のようでした。
【自然環境リテラシー学】では講義の他にもこうしたビーチクリーン活動なども行います。
浜に打ち上がっているゴミの実態を知ることも自然環境のリテラシーなのです。
毎夜、夕飯の後にレクチャーが実施されました。
地球の未来の姿についてや気象について、北極振動と異常気象、バイオマスなど、アカデミックな講義が繰り広げられました。
三日目はキャンプツーリング。
まずは柴田講師からパッキングについて説明を受けます。
その後、各自でカヤックに荷物を積み込んでいきます。
カヤックへのパッキングは防水に配慮することの他に、重量バランスやスペースの有効利用など、なかなか奥深いテーマなのです。
出発直前、頭上の太陽に虹の輪が。
ハロ現象と呼ばれる、上空の薄い雲が見せる自然現象です。
これは上空の水蒸気が増している証拠でもあり、お天気が下り坂に向かっている予兆です。
前日のショートツーリングでの反省を踏まえてフォーメーションを組みなおし、野営地へ向けて漕ぎ出しました。
波も風も三日目にして最大となりました!
途中、何人かがひっくり返ってしまいましたが、レスキュー法を学んでいるので可能な限り生徒同士でやってもらいます。
覚えたことと出来ることの違いも実感できたのではないでしょうか。
そして野営予定地に無事到着。
永遠のように感じるパドリングだったようですが、実際には1時間半ほどでした。笑
でもそれだけの達成感も味わうことができました!
浜に辿り着いたらゴール、ではありません。
野営では様々な作業をしなければいけません。
まずはテントとタープの設営です。
そして夕飯の支度です。
調理班、水汲み班、流木集め班に別れて作業を進めていきます。
流木で焚き火をし、浜の奥の沢から水を汲み、みんなで手分けして野菜を切り。
32人前の夕飯は、暗くなる前に食べることができました。
いやあ、みんな頑張ったね!
キャンプの夜もレクチャーはあります。
この夜は「アドベンチャーと自然環境リテラシー」と題して、講師たちが自身の経験談を語りました。
翌朝は雨。
朝ごはんを済ませ、雨の合間を縫って荷物を片付け、出艇のタイミングを計ります。
森田講師の号令の下、いよいよ出発です。
手早くタープを畳み、身支度を整えて漕ぎ出しました。
尾鷲らしいとしか表現できない大粒の雨が降りしきる中をフォーメーションを組んで漕いでいきます。
風はないですが視界が極端に悪いので、コンパクトにまとまることを意識させます。
当初の予定では再び須賀利に戻るはずでしたが、視界不良と雷の可能性、そして風の急変を想定して小山浦へ逃げ込みました。
ある程度、湾の中へ入ってしまうと一安心で、あちこちに湧き出した滝を見たり、ゆっくりと景色も楽しんだのでした。
そして小山浦の浜に上陸。
陸に上がると途端に雨が煩わしく感じるのが面白いですね。笑
みんなで協力してカヤックを運び上げ、撤収しました。
森田講師のベースである「小山ハウス」で順番にシャワーを浴び、乾いた服に着替えさせてもらい、車に分乗して須賀利に戻りました。
翌日はアクティビティ・デイとして、サイクリング、SUP、カヤックツーリング+αを体験し、カヤックだけではない視点からも南三重の自然を体感してもらいました。(本橋は担当外だったので写真ありません~)
各アクティビティ終了後、最後のレクチャーとして振り返りを実施。
学生たちからも一人ずつ感想などを話してもらいました。
こういう時間が大切なのです。
記念写真を撮り終え、バスに乗り込み帰っていく学生のみんなをお見送り。
なんだかさみしい気持ちになる瞬間です。
25人の学生のみんな、来てくれてありがとね!
今年度は二回に分けて実施した【自然環境リテラシー学】。
来年以降どうなるかは履修希望者の数によりますが、きっとまたたくさんの学生が来てくれるものと期待しています。
そしてこの実習がこれっきりで終わりになるのではなく、今回受講してくれた学生のみんなに対して次のアクションを起こす受け皿になるという、ぼくら講師陣=ガイドたちの使命があります。
すでに11月開催の【SEA TO SUMMIT三重紀北】大会へ参加表明をしている学生が何人も出て来ていますし、それ以外にもせっかく学んだシーカヤックと自然環境のリテラシーを活かすべく、様々な活動をしていきたいという声も挙がってきています。
ますます面白くなってきた南三重エリア。
これからも色んなアクションに関わっていきたいと思います!!
【2018年度 自然環境リテラシー学】
第二回目 9月7日~11日
主催 三重大学生物資源学部共生環境学科
後援 三重県、尾鷲市
実習実施担当責任者 坂本竜彦 教授
実習実施担当教員 坂本竜彦、飯島慈裕、立花義裕、西井和晃、山田二久次
研究員 山本康介
シーカヤック講師 内田正洋(サンドウォーカー)
柴田丈広(アルガフォレスト)
森田渉(シーカヤックステーション小山ハウス)
鈴木克章(ひるまのながれぼし)
本橋洋一(サニーコーストカヤックス)
アクティビティガイド 西井匠(地域資源バンクNIU):サイクリング
野田綾子(Verde大台ツーリズム):SUP
山本啓太(キオラパドル):SUP
柴田丈広(アルガフォレスト):カヤック+α
森田渉(シーカヤックステーション小山ハウス):カヤック+α
協力ガイド 野田綾子(Verde大台ツーリズム)
伊藤庸司(語らいの里 噺野)
山本啓太(キオラパドル)
植野めぐみ(旅のアトリエ・ちきゅうの道)
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