9月上旬の日曜日、臨時休業にさせていただき、義父と義父の釣り友達とうちの奥さんとで釣りに行ってきました。
場所は熊野市の新鹿(あたしか)です。
まだ夜の明けきらない薄明の海へと船はゆっくり向かっていきました。
釣り道具一式は義父とそのお友達に借りました。
一応、自分の釣り具も持っていきましたが、今回は生まれて初めての船釣り、しかも電動リールを使う餌釣りです。まったく勝手が違います。
仕掛けもルアーよりも複雑で、天秤とかカゴとかいろいろとぶら下がり、僕にはクリスマスツリーの飾りのようにも見えました。
エサはオキアミです。凍ったのを船頭のおっちゃんが手際よくザルに小分けしてくれます。この細かなこの気遣いも普段のカヤックフィッシングでは味わえないものでした。
特に繁忙期の8月を乗り切ってすぐだったからでしょうか、仕事では僕が細々と動いてお客さんのためにいろいろとご奉仕しますが、それを僕自身にされるとなんともくすぐったいような感覚でした。
さて。
船は新鹿の湾口の洞窟を過ぎて、特になにも目標物もないところで止まりました。
どうやらここが釣りのポイントのようですが、船頭のおっちゃんは陸のほうを右を見て左を見て、そして魚探で水深を確認しているようでした。
とりあえず言われたとおりに竿を降ろします。
船頭のおっちゃんに手取り足取り面倒を見てもらっている横で、経験者であるうちの奥さんが手早く釣り始めていて、少し闘争心が湧きます。
と、義父と義父の友人とがそれぞれ魚を上げ始めました。
タイとサバ、そしてハタです。
なかなかのサイズです。
〆サバだなこりゃあと義父が言います。
こっちはクエ鍋や~と義父の顔がほころびます。
刺身も美味いと船頭が言います。
もうくやしくて仕方ありません。と、やっと僕の竿にも当たりがきました。フィッシュオン!
上げてみるとハタでした。
これまた手頃なサイズです。
ちょっと船酔い気味だった奥さんにも笑顔が戻ります。
その奥さんもタイを上げました。
チダイですが、これもいいサイズです。
マダイよりもブルーの斑点が鮮やかで、尻尾のふちに違いがあります。
まあ、味の差は僕には分からないのでうれしい限りです。
ちょうどサバの群れにでも遭遇したのでしょうか、30分ほどサバ祭りになりました。
僕も計6尾ほど釣りましたが、小さいのはリリースしました。
そしてお約束。
はい。サメです。
船頭さんも種類は知らんと言ってましたが、後で調べたところおそらくホシザメと思われます。
このサメ、なんと3尾も釣られました。
僕と義父と友人さんと。
サバに寄ってきたのか、エサのオキアミに吊られて来たのか。
サイズはみな70cmほどでしょうか。
さすがにキープする気にはならずリリースしました。
と、船頭さん、これは生で食べられると、1尾をその場でさばいて振る舞ってくれました。
サメというとクセのある魚肉というイメージがありましたが、これは普通に食べることができました。
さすがはサメのタレの文化圏、名前は知らずともサメを食す知識はちゃんとあるのでした。
そんなこんなでこの釣果。
ウマヅラハギは義父からもらいました。
埋もれて見えませんが、カイワレもいます。
釣り船、エサ釣り、電動リールと今回の釣りは新しい釣りの世界を知ることができました。
いやあ、釣りの世界も奥が深いですねえ。
ほどほどにして本業の手漕ぎ小舟業がおろそかにならないようにします~。
追記
帰ってから奥さんになんで船の上で緊張した顔つきだったのって言われました。
どうやら海の上にいると、動力に関係なく‘スイッチ’が入っているようでした。笑
僕以外の船頭のいる船に乗るのも久しぶりでしたが(カヤックは一人乗りですし…)、それでも気になったのは船頭さんの「判断」でした。
先述した釣りポイントの確認の仕方ですが、あれはいわゆる「山立て」という手法でしょう。魚探は補助的にしか見ていませんでした。
また、太平洋岸ではなかなか体感できない潮流ですが、船頭さんは敏感に感じ取っているようでした。実際、キャストしてからずいぶんとラインが横に移動していっていたのは、船が風で流されただけではないようでした。
エンジンを切らずに漂わせている船から潮を読むというのはどういう感覚なのか、僕にはまだまだ想像もできません。
そして写真に撮らなかったことを後悔しているのが「スパンカー」の使用です。
スパンカーは船の後ろに立てる小さな三角帆で、簡単にいうと船首を風上に向けやすくする帆です。日が高く昇ってからは潮も風も強くなっていったので、その対処として船頭さんはスパンカーを広げました。その効果がどうだったのか、残念ながら僕には良く分かりませんでした。
シーカヤックとは違う、でも共通点もある船の世界。海の世界。そして船乗りの世界。
いろんな経験を積むことは僕の知的好奇心を刺激してやみません。
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